
ご自宅にピアノを置くことになった時に、皆さんが考えなければいけない事はたくさんあると思います。
例えば、マンションなら防音対策であったり、床の補強は必要なのかという事です。
また設置場所を決める際にも、ピアノを置くスペースをどこにするかは非常に重要な問題となりますよね?
でも、ピアノを設置するスペースを決める際に、忘れがちだけれど凄く重要な事があるんです。
それは...「調律作業がやり易い場所に設置する」ということです。
どうでしょうか?考えていましたか?
ピアノを設置する場所を決める際は、ピアノの左右、上部に充分なスペースが確保されるように場所を選ばなければなりません。
ピアノを使う以上、ピアノの調律は絶対に必要になりますので、調律の際の作業性を考慮し、広く十分な作業スペースが取れるように場所を選びましょう。
以下具体的に見ていきましょう。
ピアノの右側に十分なスペースを設ける
チューニングハンマーを右手で持って調律をする時に、最高音部の調律ではピアノの右側側面(親板)よりも体はさらに右にはみだして作業する事になります。特に右腕の肘はピアノの側面より右側にはみ出してしまう為、ピアノの右側には十分なスペースを確保するようにしてください。
尚、ピアノの左側(低音側)は壁に寄せていてもさほど影響ありませんが、もしスペースが確保できるのであれば多少開けておいたほうがいいでしょう。またアップライトピアノの場合に、ピアノの屋根上部に棚を設ける方もたまに居られますが、この場合はピアノの屋根を空けられず、調律の際に毎回屋根を空ける為にピアノを引き出さなければなりませんのでピアノ上部にも十分なスペースがあるのが望ましいです。
ピアノの手前に十分なスペースを設ける
グランドピアノの場合はピアノの手前側(鍵盤側、弾き手側)のスペースにも注意が必要となります。グランドピアノのアクションは手前に引き出す構造になっているので、手前側のスペースが十分に確保出来ていないと整調、整音、修理作業の際に支障が出る事があります。尚、ピアノのお尻側は壁に近かかったとしても普段の作業にはあまり影響はありませんが、人が立てるくらいの幅程度は確保しておくと良いでしょう。
エアコンの位置に気をつける
調律を考慮して場所を決めるのも大事ですが、もう一つ考慮しなければいけない事があります。それはエアコンとピアノの位置関係です。ピアノの位置は必ず風が直接当たらない場所に設置するようにしましょう。風が直接当たってしまう位置で冬期に暖房を使うと、ピアノを常時ドライヤーで暖めているようなもので調律もすぐに狂ってしまいます。また冷えきったピアノを暖房で一気に暖めるとスティックを起こす原因にもなりますし、ピアノ内部にも悪影響を与えてしまいます。ピアノの位置を変更するか、別の暖房器具(急激に暖めない暖房)を使うようにしましょう。
冷房の場合も考え方は同様で、直接風が当たってしまうと、急激にピアノ内部を冷やすことになりますので、やはりエアコンの送風を直接受けない位置にピアノを移動するべきです。
以上、ピアノの設置場所を決めるときに考慮することを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
一度ピアノを設置してしまうと、移動するのは大変ですし、移動後に調律をしなければならないので、最初にベストな位置を決めるようにしましょう。